知らないと損する!太陽光発電「出力抑制」のキホンと、家庭でもできる備え

最近、地球に優しいクリーンなエネルギーとして、太陽光発電がますます注目されています。

私も自宅の屋根に太陽光パネルを設置して、「これで毎月の電気代が浮くし、売電収入も期待できるな」と、導入を決めました。 しかし、太陽光発電のことを調べていると、ちょっと気になるワードにぶつかります。

それが「出力抑制(しゅつりょくよくせい)」です。

何だか難しい言葉ですが、「売電収入が減る」とか「発電したくてもできない」なんて話も聞こえてきて、正直「え、それってウチにも関係あるの!?」と不安になりました。

そこで今回は、この「出力抑制」について、私が調べてみた結果を皆さんにもシェアしたいと思います。

「家庭用太陽光発電には関係ないんでしょ?」と思っている方も、ぜひ最後まで読んでみてください。

「出力抑制」って、そもそも何のこと?

まず、このちょっと耳慣れない「出力抑制」とは何か、から説明させてください。 簡単に言うと、

「電気を作りすぎちゃったから、少し発電をストップして!」

と電力会社からお願いされることなんです。 「え、電気ってたくさん作れるなら良いことじゃないの?」って思いますよね。

私も最初はそう思いました。しかし、電気の世界には「同時同量(どうじどうりょう)」という、とても大事なルールがあります。

これは「発電する量と消費する量を常にピッタリ同じに保たなければならない」という大原則。 もし発電する量が消費する量を大きく上回ってしまうと、電力の質(周波数)が乱れて、最悪の場合、広範囲での停電(ブラックアウト)につながる恐れがあります。 特に、近年は太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入がものすごい勢いで進んでいます。

天気の良い日の日中など、みんながあまり電気を使わない時間帯に、太陽光発電が電気を大量に作ると、供給が需要を上回ってしまうことがあるんです。 そんな時、電力会社はまず、火力の発電量を絞ったり、水を上流に汲み上げる「揚水発電」で調整したりします。それでも電気が余ってしまう時の最終手段として、太陽光発電の発電をストップさせるのが「出力抑制」なんです。

10kWの壁!?家庭用と産業用、どうしてこんなに違うの?

この出力抑制、実は太陽光発電の「規模」によって、扱われ方が大きく違います。 一般的に、

  • 家庭用太陽光発電: 10kW未満の設備
  • 産業用太陽光発電: 10kW以上の設備

と区分けされています。そして、この「10kWの壁」が、出力抑制の有無に大きく関わってくるんです。 以前は、「30日ルール」とか「360時間ルール」といって、「この時間までは無補償で抑制してもいいよ」という上限があったんですが、今は「無制限・無補償ルール」が適用されるケースが増えてきています。

これは、文字通り、年間を通して、何時間でも、補償なしで抑制される可能性がある、ということ。産業用で大規模な太陽光発電をされている方にとっては、かなり深刻な問題です。

じゃあ、気になる家庭用太陽光発電はどうか? 結論から言うと、今のところ、出力抑制の対象となる可能性は「非常に低い」です。

私も調べてみて、ホッと胸をなでおろしました。

なぜ家庭用は対象外なの?

家庭用が優遇されているのには、いくつか理由があります。

  • 優先順位の低さ: 電力会社が「電気を作りすぎ!」となった時、まず手をつけるのは、火力発電の調整や、より発電量の多い大規模な産業用太陽光発電です。家庭用は、一つひとつの発電量が小さいので、優先的に抑制されることはほとんどありません。
  • 電力需要の大きさ: 特に東京や大阪、名古屋といった大都市圏をカバーする電力会社(東京電力、中部電力、関西電力など)のエリアは、人口が多くて電力需要も莫大です。だから、そもそも電気が余る状況になりにくいです。
  • 既存ルールの優遇: 昔から、10kW未満の太陽光発電は出力抑制の対象外というルールがありました。新しいルールができてきても、家庭用についてはこの優遇措置が引き続き適用されています。資源エネルギー庁も、「まずは10kW以上の抑制から」という方針を示しています。 だから、「家庭用太陽光発電を設置したけど、出力抑制で全然売電できない!」なんて心配は、現状ではほとんどしなくて大丈夫、ということになります。

本当に「このままずっと安心」と言い切れる?

「よし、じゃあ家庭用なら安心だね!」で終わりたいところなんですが、世の中は常に変化しています。私も、この先のことを考えると、完全に楽観視はできないな、と感じています。

再生可能エネルギーの導入が止まらない!

日本のエネルギー政策は、これからも再生可能エネルギーの導入をどんどん進めていく方向です。そうなると、当然、電力系統に流れる再生可能エネルギーの量は、ますます増えていきます。 実際に、2023年度には日本全国で前年比3.3倍もの出力抑制が実施されているんです。これは主に産業用が対象ですが、今後もこの流れが続けば、いずれは家庭用にも影響が出てくる可能性はゼロではありません。

地域差も拡大中!

今のところ家庭用は大丈夫、と言っても、それは全国一律ではありません。

例えば、九州電力の管内は、他地域に先駆けて出力抑制が頻繁に行われています。これは、九州が早くから再生可能エネルギーの導入に力を入れてきた地域だからなんです。 今後、他の地域でも再生可能エネルギーが増えていけば、九州と同じように、家庭用にも抑制がかかる日が来るかもしれません。「うちは都会だから大丈夫!」なんて、安易には言えない時代になってきているな、と私は感じています。

将来的な「オンライン代理制御」の可能性

現状では「オンライン代理制御」といって、電力会社が遠隔で出力抑制をするシステムは、10kW未満の設備ではあまり導入されていません。

でも、将来的には、効率的な電力調整のために、家庭用にもこうしたシステムが義務付けられる可能性も指摘されています。

家庭用太陽光オーナーが今からできること

じゃあ、私たちはこの先、どうすれば良いのでしょうか?私が考えるに、今からできる対策はいくつかあります。

蓄電池の導入を検討する

これ、一番現実的で有効な対策だと私は思います。発電した電気を売電するだけでなく、蓄電池に貯めておいて、夜間や、太陽が出ていない時に自分で使います(自家消費)。 こうすれば、もし将来的に出力抑制がかかりやすくなったとしても、売電できなかった分を自分で有効活用できるので、無駄になりません。

電気代も節約できるし、災害時の非常用電源としても使えるので、一石二鳥、いや三鳥くらいのメリットがあります。

HEMS(ヘムス)で電気を「見える化」する

HEMS(Home Energy Management System)は、家庭の電気使用量や発電量を「見える化」してくれるシステムです。これを使うことで、いつどれくらい電気を使っていて、いつどれくらい発電しているのかが手に取るように分かります。 自分の家の電気の使い方を把握することで、より効率的に自家消費を進めたり、売電のタイミングを考えたりと、賢く電気を管理できるようになりますよ。

常に最新情報をチェックする!

今回の記事でご紹介したように、電力の状況や国の制度は常に変化しています。電力広域的運営推進機関(OCCTO)や資源エネルギー庁、そしてご自身の地域の電力会社(送配電事業者)のウェブサイトなどは、定期的にチェックするようにしましょう。 特に、家庭用太陽光発電に関する言及があった場合は、詳細をしっかり確認することが大切です。

まとめ:賢く、安心して太陽光発電ライフを送ろう!

私が今回「出力抑制」について調べてみて感じたのは、「今は大丈夫でも、未来は不透明だから、できる範囲で備えておくのが賢いな」ということでした。 せっかく地球にもお財布にも優しい太陽光発電を導入したので、不安なく、最大限にそのメリットを享受したいですよね。 もしこれから太陽光発電の導入を考えている方も、すでに導入済みの方も、今回の記事が皆さんの安心材料に少しでもなれば嬉しいです。 皆さんのスマートハウスライフが、これからも快適でありますように!


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