今回は、我が家がこの度、蓄電池の購入に踏み切ったお話を書かせていただこうと思います。
決して安い買い物ではないため、じっくり検討を重ねてきましたが、最終的に「今がその時だ!」と決断しました。
同じように蓄電池の導入を検討されている方や、電気料金の変動に不安を感じている方の参考になれば幸いです。
我が家の電力環境と現状
まずは、我が家の現在の電力環境についてご紹介させてください。 我が家はオール電化で、九州電力の「電化deナイト22」という電気料金プランを利用しています。太陽光発電は、京セラ製の4.4kWを設置しており、日中の電気をまかなうのに貢献してくれています。 現在の月々の電気代は、平均すると約1万6千円。そして、太陽光発電による売電収入が約4千円あります。差し引きすると、実質的に月々1万2千円ほどを電気代として支払っている計算になります。 そして、昨年から我が家に加わったのが、BYD ATTO3というBEV(電気自動車)です。これにより、車の燃料代が電気代に集約される形となりました。以前はガソリン代もかかっていたことを考えると、全体の光熱費+燃料費で比較すると、大きく変わっていないかもしれません。しかし、電気の使用量は確実に増えています。
蓄電池導入検討の経緯
実は、蓄電池の営業の方のお話を聞くのは、今回が初めてではありません。過去に2度ほど、異なる会社から提案を受けていました。そのたびに、「いいなぁ」とは思うものの、導入コストの高さや、本当に元が取れるのかという疑問が先行し、なかなか踏み切れないでいました。 そんな中、今回ご縁があったのが、長州産業の「スマートPV 9.8kW(全負荷型)」という蓄電池の提案でした。 提示された導入コストは、約260万円。正直に言って、やはり大きな金額です。
DR(デマンドレスポンス)補助金についても説明がありましたが、HEMS(家庭用エネルギー管理システム)の導入コストが高くなるため、今回はその分の割引を適用してもらう形になりました。 導入にあたっては、ローンを組むことを前提に検討を進めました。利用したのはアプラスのローンで、金利は2.45%。期間は20年と長く設定することで、月々の負担を抑えることができました。仮審査も無事に可決し、月々の返済額は約1万3千円という内訳です。
導入後の月々の収支シミュレーションと損益分岐点
さて、ここが一番気になるところだと思います。蓄電池導入後の月々の収支について、営業の方から提示されたシミュレーションを共有させていただきます。
- 支出: ローン返済 1万3千円 + 電気代 6千円
- 収入: 売電収入 700円 これを合計すると、月々の支払いは1万8千円前後となります。現在の月々の電気代が1万6千円、売電収入が4千円なので、実質的な支出は1万2千円。つまり、蓄電池導入後の方が、現状よりも毎月6千円のマイナスになってしまうというシミュレーション結果でした。 正直、「あれ?メリットが出ない?」と感じました。しかし、営業の方からは「この見積もりは、あえてメリットが出過ぎないように、少し負荷をかけて算出しています。実際にはもう少しメリットが出る可能性もあります」という説明がありました。 もちろん、これはあくまでシミュレーションであり、実際の電気の使用状況や天候、電気料金の変動によって多少は変わってくるでしょう。しかし、それでも毎月数千円の持ち出しがあるというのは、正直に言うと経済的なメリットだけで見れば、即決できるレベルではありませんでした。
経済的メリットだけではない「決め手」
では、なぜ私が今回、蓄電池の購入に踏み切ったのか。それは、単なる経済的なメリットだけではない、いくつかの「決め手」があったからです。
1.災害対策と電気料金高騰リスクへの備え
まず一番に挙げられるのは、災害対策です。近年、地震や台風、豪雨など、日本各地で甚大な自然災害が頻発しています。大規模停電が発生した際、蓄電池があれば、最低限の電気を確保し、生活の継続が可能になります。幼い子どもたちがいる我が家にとって、これは非常に重要な安心材料でした。 また、電気料金の高騰リスクへの備えも大きいです。ご存じの通り、燃料費の高騰や再生可能エネルギー賦課金の上昇など、電気料金は今後も上昇する可能性が高いと言われています。
特に九州電力は全国的に見て電気料金が安いです。その理由の一番は、原発が稼働しているからであり、今後その原発が稼働し続けるかどうかはわかりません。今後いつ全国の電気料金の水準に合わせてくるかはわかりません。
蓄電池があれば、夜間の安い電気を蓄え、電気料金の高い昼間に使うことで、電気代を抑制できます。現在のシミュレーションでは月々数千円の持ち出しですが、将来的に電気料金がさらに高騰した場合、その持ち出し額は縮小、あるいはメリットに転じる可能性も十分にあります。
2.子どもの成長による電気使用量の増加への対応
現在、私の子どもたちは小学1年生と2歳です。これから子どもたちが成長するにつれて、確実に電気の使用量は増えていくでしょう。例えば、子ども部屋のエアコンの使用頻度が増えたり、ドライヤーなどの家電製品を使う時間が増えたりすることが予想されます。 現状で電気代が平均1万6千円ですが、将来的に2万円、3万円と増えていく可能性も十分に考えられます。その時に、蓄電池があることで、電気代の増加をある程度抑えることができます。今回の導入は、未来の電気使用量増加への先行投資と捉えることもできました。
3.長期保証とアフターサポートへの安心感
様々なメーカーや機種、ローンの条件を比較検討してきましたが、正直なところ、それぞれの差はそこまで大きくないという印象でした。もちろん、容量や変換効率などの違いはありますが、最終的に私が重要だと感じたのは、販売会社のアフターサポートと、設備の保証です。 今回提案された蓄電池は、「長期保証20年(施工保証は10年)」という点が非常に魅力的でした。蓄電池は、決して短期間で入れ替えるものではありません。長期にわたって安心して使い続けるためには、万が一の故障やトラブルの際に、しっかりとサポートしてくれる体制が整っていることが重要だと考えていました。営業マンというフィルターを通してしか見ることができませんが、担当の方の誠実な対応や、会社のこれまでの実績などから、安心して任せられると感じたのも大きな決め手となりました。
将来的なV2Hへの期待と現在の選択
実は、今回の蓄電池導入を検討する中で、「V2H(Vehicle to Home)」というシステムにも非常に興味がありました。V2Hは、BEVに蓄えられた電力を家庭で利用できるようにするシステムです。これがあれば、BEVが「走る蓄電池」となり、さらに災害時の備えとして強力になるだろうと考えていました。 しかし、営業の方から説明を受けた際に、現状のV2Hは電力の変換ロスが大きいというデメリットがあることを知りました。せっかく蓄えた電気がロスしてしまうのはもったいないと感じ、今回は断念することにしました。ただ、V2Hの技術は日々進化しています。今後、変換ロスが改善され、より効率的なシステムが開発されることを期待し、将来的な導入の可能性を残しつつ、まずは家庭用蓄電池を導入する決断をしました。
今後の流れと期待
今回の蓄電池導入は、まだ契約が完了したばかりです。今後は、まず現地調査が行われます。ここで、我が家の既存の太陽光発電設備との互換性が確認されます。もし互換性が合わない場合は、残念ながら今回の導入は断念せざるを得ないのですが、今のところは問題なく進むと信じています。 現地調査が完了すれば、いよいよ施工工事へと進みます。新しい設備が我が家に設置され、実際に蓄電池が稼働する日が今からとても楽しみです。
繰り返しになりますが、今回の蓄電池導入は、単に経済的なメリットだけを追求したものではありません。災害対策、将来的な電気料金高騰リスクへの備え、そして子どもたちの成長を見据えた長期的な視点での投資だと考えています。 もちろん、投資した分を回収できるかは、これからの使い方や電気料金の変動にかかっています。しかし、今回の決断によって、我が家の電力環境がより安定し、安心できるものになることを期待しています。 蓄電池の導入を検討されている方にとって、少しでも参考になる情報があれば幸いです。皆さんのご家庭の状況や優先順位によって、最適な選択は異なります。我が家もこれから実際に使っていく中で、様々な発見があることでしょう。また何か新しい情報があれば、ブログで共有させていただきますね。
「我が家もそろそろ蓄電池を…」とお考えの方、まずは複数の会社から一括見積もりを取ってみませんか?最適な蓄電池選びの第一歩は、比較検討から始まります↓
コメント